知っている人

 わたしが小説などを書いているということは、わたししか知りません。掛け値なしに家族も友人も誰も知りません。家族が寝静まったあとに人知れずこっそり書いています。

 三世留男というわたしは確かに存在しますが、それは著作物を読んでいただいた読者のみなさんしか知らないバーチャルな存在でしかありません。この現実世界には存在しないのと同じなのです。

 この状況を考えるとき、わたしはいつもほくそ笑んでいます。

 わたしのことはわたししか知らないんだってね。

エンタングルメント・マインド(Entanglement Mind)

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