読書感想文 『呪われた黄金の飢餓』木下森人著
無料キャンペーン中にいただきました。
アメリカ合衆国財務省カウンタードラキュラサービス(CDS)に所属する女吸血鬼・ジャックと相棒のミナが、ターゲットのシスター(これも女吸血鬼)を追う、というストーリー。
手ごろな長さと、会話多めのリズミカルな文体で2時間ほどで一気読みいたしました。主役も敵役も脇役も全て女というのも新鮮でした。そのおかげか、ずっとエログロが続くのですが最後までさわやかな読み味でした。ここに男が混ざると、一気に血なまぐさい雰囲気になったのかもしれません。
タイトルにもなっている黄金の飢餓が、本作の吸血鬼像のキーワードで、ジャックやそのほかの吸血鬼の存在意義や目的につながり、ストーリーの根幹ともなっています。わたし自身は吸血鬼ドラキュラについて全然詳しくありませんでしたが、作中とあとがきの説明を読んだおかげで、なんだかにわかに詳しくなったような気がします。
おもしろかったです。続きもありそうな終わり方だったので、続編も期待しております。
本作は電子書籍ならではの読みやすい文章でしたが、もっと歯ごたえのある表現で着飾った長編も読んでみたい気がします。その場合は紙の本のほうが似合っているかもしれません。
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