読書感想文 『白浪☆SEVEN』杜的錬侍著

 SHINOBIに憧れて日本にやってきた胡乱なアメリカ人トム。花魁の浜梨に気に入られ、長屋の仲間と吉原の治安を守るべく立ち上がる。実は江戸社会の裏では不穏な動きがあり……。

 幕末の江戸を舞台にしたコメディタッチのドタバタ世直し物語です。江戸時代の話なのに横文字(アルバイト、ラブレターとか)が一杯出てくるため、最初は銀魂みたいなナンセンスコメディかと思って読み始めましたが、これはアメリカ人のトム視点の物語なのでそうなるんだなと思い至ってから一気に面白くなりました。実はトムの異文化ギャップを書いているんですね。当時の外国人からみた日本はこう見えたのかなと想像しながら読みました。

 中盤からはアヘンなど外国の陰謀が絡んできて、お話のスケールが大きくなっていきます。とはいっても王道のストーリーラインでテンポよく進んでいきますので、サクサク読んでいけます。

 登場人物はみんな少しとぼけたような飄々とした感じで、悲壮感は一切見せません。それが物語を明るく楽しい雰囲気にしています。読むぞと構えなくてもリラックスして読めました。おもしろかったです。

エンタングルメント・マインド(Entanglement Mind)

近未来SF小説『エンタングルメント・マインド』シリーズの特設サイトです!

0コメント

  • 1000 / 1000