読書感想文 『KILLING ME SOFTLY (216books)』フクチカズアキ 著

 ヤクザの組長が殺された。その落とし前をつけるため、辰美若頭は医者くずれの男に調査を依頼した。医者はカラオケボックスで第一発見者の「キョウコ」に話を聞く。そのとき「探偵」はで連続殺人事件の調査を始めていた。

 いろいろな事件が同時並行して進んでいくように書かれており、読み始めはものすごく混乱しました。わざと混乱させるように構成しているとも思えるこの小説のつくりにもある理由があり、モゴモゴ。これ以上はネタばれになるのであまり書けません(笑)。最初はわけがわからなくて投げ出しそうになるかもしれませんが、途中から「これでわかるだろう」と作者が言うかのような話しの筋になっていきますので、そこまではあきらめちゃだめです。そこから先は、それまでの混乱の理由が気持ちよく氷解していきます。びっくりしますよ。思わず読み返しました。

 読んでる最中ずっと?(ハテナ)が浮かび続ける、あまり感じたことのない奇妙な読書体験でした。

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