読書感想文 『i-SE+』 J◆B(著)

 弁護士 渡部麻里香は、取引先の大手IT企業を訪れた。その企業が新規開発したロボット技術の特許出願手続きのためだった。麻里香はそこで働くプログラマーの伊勢に淡い恋心を抱くが、それは恐怖の始まりだった。

 人間と見分けのつかないロボットが感情を持ったとき、相手となった人間はどう感じるのか、ということがテーマでしょうか。無感情な人工知能が、ビッグデータを使った学習で人間らしくなる喫茶店でのシーンは、なかなか真に迫る感じでした。

 登場人物の感情やこころの声が、情景描写や会話を先回りして地の文に現れる独特な文章でした。これが読者を先に先にと読み進めさせる駆動力になっているように思いました。

 人工知能に関してはわたしも一家言あるので、他の方の考えを知るのはとても参考になります。おもしろかったです。


 あと、弁護士が特許出願手続きできるんだっけ? と気になりましたが、調べてみると弁理士登録すればできるそうです。なるほど。

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