読書感想文 『フェティシズム教育学会』 東区あかり(著)
29歳、趣味無し彼氏無し、いるのはテクニックゼロのセックスフレンドだけ。リコは半ばやけくそで、ネット検索で見つけた『フェティシズム教育学会』の門を叩く。
フェティシズムとは物や行為、生き物などに異常なこだわりを示し、かつ性的興奮を覚える心理状態のことを言います。誰しも大なり小なり隠れているのではないでしょうか。この本は、そういったフェティシズムを開発する教育学会に入会した女性が、あるものに対する性癖に開花するお話です。あるもの、はぜひ読んで確認してください。全く意外なものですが、それを使ったプレイを丁寧に描写していますので、なんだかわたしも興奮しそうでした。ちなみにわたしは官能小説に最も興奮する質《たち》だと思っています。わたしもエロ描写にもっと萌えるように『フェティシズム教育学会』で開発してほしいです(笑)。
文章はリコの一人称で、彼女が感じていることを赤裸々に語りますが、文体は素直で癖がなく読み易かったです。ラストはハッピーな形で終わるので読後感も良かったです。
フェティシズムが開花すれば性器に触れずしてオーガズムに達することができる……のかもしれません。わたしとしては、同じようなことが明晰夢でも起こることをここで紹介しないわけにはいかないでしょう。
また、明晰夢は性的活動にも大きな影響を与えることがわかっている。特に女性は、明晰夢によって現実世界よりも素晴らしく感動的なエクスタシーに至ると言われている。臨床心理学博士パトリシア・ガーフィールドは『エクスタシーへの道』の中で、自身の明晰夢の3分の2は性的な内容であり、その半数でオーガズムに達すると報告している。そのオーガズムは深く強烈なものであり、「魂と肉体を揺さぶる爆発が突如起こっている」のがわかったという。そして、この感動的な体験はスティーヴン・ラバージの研究によって実証されたのである。(『思想物理学概論』より引用)
どうやらわたしたちは脳で感じるようですね。フェティシズムも脳が気持ち良いと感じているから絶頂に至るのでしょう。
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