パラメトリックスピーカーの製作 その1

 みなさん、パラメトリックスピーカーってご存知ですか? 

 これは超音波を利用した指向性のあるスピーカーで、美術館の絵画の前で鑑賞している人だけに解説音声を流す、というような用途で使われていますので知っている方もいるかもしれません。このスピーカーは、対向する人にしか音が聞こえないという特徴を持っているんです。

 実はつい先日書き上げたばかりの新作ミステリでこのパラメトリックスピーカーを登場させたのですが、実際どんな感じなのか知らずに書いたので(科学的には正しく書いたつもりですけど……)、これはいかんだろうと思って実物で確認することにしました。

 とはいえ完成品は10万円くらいするので、安いキットを買って自作しました!

 キットは秋月電子さんから久しぶりに購入しました(小学生の頃からキットを買って電子工作してました)。

 パラメトリックスピーカー実験キット

 基盤に説明書通りにパーツをはんだ付けしていきます。

 ヤニのにおいが懐かしい。

 実装しました。この状態で電源と音声入力をつなげてもいいのですが、ひと工夫して組み立てます。

 家に転がっていたボード(薄い板)を切って穴を開けます。

 切ったボードにビスで回路と超音波スピーカーを止めます。

 このスピーカーセットを自立させるために三脚に止められるようにしたいので、お金をかけずに工夫でなんとかします。

 家に転がっていたジャンクのカメラから、三脚の差込部品を取ります。そんでL字金具にドリルで穴を開けて、ジャンクのカメラから取った部品をビス止めしました。

 はい、以上を組み上げて、こんな感じに完成しました。


 実際に駆動させてみると、確かに指向性が強いスピーカーなんですが、スピーカーの横でも少し音が聞こえるんですよね(説明書によると可聴角度20度)。それに、部屋の中では壁に音が反射していろいろな方向から聞こえてきます。スピーカーの前にいる人だけにしか聞こえない、というわけではないようです。もちろん可聴域から外れたところにいる人に聞こえる音は小さいですが、うーん、思っていたより音が漏れるなあ。

 これが実力とすると、新作ミステリを少し書き直さないといけないかもしれません……。

 もう少し工夫してみます。

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