読書感想文 『セルパブ!夏の100冊2020』 ぱぶにゃんⅡ世(著)

 セルフパブリッシング電子書籍のカタログ本。100冊もの自薦本の紹介と、対談やコラムが盛りだくさん。


 毎年夏に出るセルパブ本(主に小説)のカタログです。星の数ほどあるセルパブ本の中から自分に合った本を探し出すのはとてもたいへんで、わたしもサンプルを読んでは積み、読んでは積みということを繰り返して探すという手間を掛けています。とくに小説は好みが大きく分かれる分野ですので、やみくもに探しているとそれだけで疲れ切ってしまって「もういいや」ということになりかねません。そんなときにこのカタログが役立ちます。100人ものインディ作家さんが、読んで欲しいと思う自慢の1冊を自薦していますので、バラエティに富んだ本が揃っています。実際わたしもこのカタログから読む本を探すことが多くあります。合わない本は当然ありますが、この中からお気に入りの本が1冊でも見つかれば、その作者の他の本を読みに行くなど選択肢が広がっていくことは間違いないです。対談やコラムも充実していますので、各インディ作家さんの思いや考えを知ることができるのもうれしいところ。以上は読み手側のメリット。

 書き手側としては自作を恒久的に宣伝してもらえるというのがメリットですね。セルパブは個人出版なので、商業のように広告に費用をかけにくい。ツイッターやブログで宣伝しても、やはり単体では目立たないですよね。多くの読者の目に留まるためには個々を集約するのが一番です。それがこの『夏100』のコンセプトなんだと思います。加えて、作家の生の声(対談など)を合わせて掲載することで、作品だけでなく作家自身にも興味を持ってもらうという狙いも! わたしも、めきし粉さんのコラムを読んでめきし粉さんの作品に興味を持ちました。このようなセルパブ界にとってとても重要な取り組みを無報酬で行っている夏100実行委員会様には本当に感服します。

 あとは一作家として参加するだけですね!(かくいうわたしは、今年も自薦というハードルを越えられず参加見送りました……これだけの錚々たる本と横並びで紹介される自信がないんだもの)

 読み手、書き手双方におススメ! 労作!


 めきし粉さんのコラムですけど、渾身のアイデアを持っている人には怖いはなしですね。コンテストに応募するよりもセルパブ本にして早く世に出してしまうというのがいいのかなあ。

エンタングルメント・マインド(Entanglement Mind)

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