読書感想文 『オトナーランド』真野清太著
現実世界に疲れた主人公が、不思議な男性の導きによって『オトナーランド』というセクシーエンターテインメントパークに招待されます。そこでの○○なアトラクションで下半身を満足させて現実世界に戻っていきます。
この本をレビューしようかどうしようか、相当悩みました。おもしろいし、こういう下ネタを前面に押し出した本は楽しくて大好きです。でもわたしにもイメージが……いや! おもしろかったならば感想を書くべきだ!
まず、ザ・ニョタイツアーズだとか、イッツア・オンナユワールドだとか、ネーミングセンスが楽しい。本家を見たら絶対に思い出すこと間違いなし。もうオンナユにしか見えなくなるでしょう。表紙とキャッチコピーもB級テイスト爆発(失礼)で、これで手に取ってもらえるんだろうかと心配になりますが、自分的には可笑しいという意味でドはまりでした。
登場するアトラクションも男心(チラリズムとか)をくすぐる内容で、臨場感もあって年甲斐もなくドキドキしました。
小説の良いところは、登場人物の容姿などは全て想像で再生される、というところにあります。マンガでは絵柄の好みがありますが、小説なら読者の想像を喚起することができればそれぞれの読者の理想とする容姿の人物を登場させたりすることができるのです。そして本作はそれに成功しているのではないかと思いました。少なくともわたしの眼前にはめくるめく耽美なセクシーエンターテインメント空間が広がっていました。
こう書くと単なるセクシー本かと思うかもしれません。ですが、実は主人公は陰を抱えていて、そのためにオトナーランドにはまっていくというサイドストーリーもあり、下ネタだけではない小説としても(少し)楽しめます。
一冊一冊が短いのが残念。
0コメント