読書感想文 『尼子の財宝とラスト・ヒバゴン: トレジャーハンター シンジとケンゾー Ⅲ』蔵部 勝良 著
たまたま無料キャンペーンだったⅢをいただきました。
旅行ジャーナリストであるシンジとケンゾーは、いつも各地の温泉でだべってばかりいる。しかし彼らはただの温泉好きのライターではないのだ。その筋の間では、トレジャーハンターとしてとびきりの有名人だったのだ。彼らが今回狙っているスクープは、『ヒバゴン』と『尼子の埋蔵金』だ。という能天気なノリ(いい意味です)がずっと続きます。映画『ナショナルトレジャー』のようなアドベンチャー小説です。
会話では「そうだよな」とか「おおそうか」とかの相槌が繰り返され、地の文も短く同じ言葉が繰り返されます。この独特の文体は好き嫌いあるかもしれません。ちなみにわたしは文のリズムに乗れてすいすい読めました。例えば、「よほど暇なのかも知れない。多分、よほど暇なのだ」みたいな感じです。
ストーリーは史実や伝説を織り交ぜたシリアスなものです。ですが、とぼけたような明るい文体に加えて、ゴキブリ型やトンボ型などのお気楽ロボットも出てくるため、構えずに読むことができます。
このトレジャーハンターものはシリーズ化されているようです。このシリーズを少年マンガの原作にしたらすごくおもしろい気がしました。
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