プリント・オンデマンド 原稿の作成 その1

 POD(プリント・オンデマンド)とは、注文に応じて1冊づつ印刷して販売するサービスのことです。このサービスがいよいよ本格化し、Amazonでも取り扱いされるようになりました。個人でもプリント本を簡単に出版できるようになったのです。

 わたしもこの潮流にのってみようと、早速手持ちの電子書籍で作り始めました。ひとまずエピソード1の電子書籍とPOD本が併売されることを目標としました。

 海外ではAmazon自身がPODサービスを手がけているようですが、日本ではまだサービスが提供されていません(ページはあるんですけどね)。そこで今回わたしはNextPublishing POD出版サービスを使います。

 NextPublishingは無料で登録できるといううたい文句でした。すぐにわたしはログオンしてマニュアルを熟読しました。無料は無料なのですが、その場合は自分で原稿PDFや表紙PDFを準備する必要があるということでした(もちろん有料サービスもある)。できるだけ出版にコストを掛けないようにしたかったので、有料サービスは使わずに無料でやれるだけやってみることにしました。

 テキストはすでにあるので、これを入稿できる形(PDF)に自分で仕立てなければなりません。しかしわたしはワードや一太郎のようなワープロソフトを持っておりません。それにテキストも青空文庫形式です。さて困った。どうやって原稿PDFをつくろうか?

 これはダメか……と暗い気持ちでネットをさまよっていたところ、同人小説作成というキーワードから素晴らしいフリーソフトに出会うことができました。それが『文庫本作成データ生成ツール・威沙(いずな)』です。

 このフリーソフトは、テキストを所望の判型のPDFに出力してくれるものです。しかも青空文庫形式にも(一部)対応! テキスト内に独自のタグを書き入れれば、自由自在にページを作ることができます。2段組も当然できますし、挿絵も入れられるし、フッター・ヘッダーも入れられます。やりたいと思うことはほぼできるほど自由度が高いソフトです。その反面、最初はとっつきにくかったことも事実です。ですが、プロファイルが豊富にそろっていましたので、まずはそれを試しながら徐々に自分好みの設定にしていきました。今のところ下のような設定で落ち着いています。

 使用方法でわかりずらかったところを補足しておきますと、変更したプロファイルは保存できますが、次に起動したときには自動で読み込まれません。保存したプロファイルを読み込むためには、『威沙』実行ファイルのある場所にある"Tokimi.conf"に、保存したプロファイル(例えば"a.conf"で保存したとする)の内容をコピーする必要があります。Tokimi.confとa.confをテキストエディタで開いて、Tokimi.confの一番最後にa.confの内容をコピーして保存すればOKです。さらに補足すると、『威沙』画面で変更できない値(紙面サイズ)も、Tokimi.confに直接書き込めば変更できます。

 それではPDF出力例を。例えば、エピソード1のテキストを「新書版」というプロファイルで変換すると、次のようなPDFが作成されます。

 「美少女文庫」というプロファイルですと、次のようになります。ステキな目次もついてきます。

 わたしは最終的に、次のようなオーソドックスなレイアウトに落ち着きました。

 このソフトがあってわたしは原稿PDFを作ることができました。作者の方には深く感謝いたします。ありがとうございました。

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