読書感想文 『窓』鴉屋尚宏 著
都内の安アパートに暮らす青年。居酒屋の深夜バイトから帰ってきた早朝、自分の住む階の窓に見知らぬ人影が見えた。その人影は何か求めるように窓を叩き、消えた。精神不安定となった彼は、その人影の正体を見極めるために行動を起こす。
『世にも奇妙な物語』になりそうなホラーです。もともと現状の生活に満足していない主人公が、ソリの合わない住人とのやり取りでさらに疲弊し、精神的に参っていく過程がリアルです。人影なんかより、急激にこころの闇に落ちていく主人公のほうがが現代社会の怖さを表しているように思いました。
短編ですので、中だるみもなく一気にラストまで駆け抜けることができました。おもしろかったです。
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