読書感想文 『並木春子のファースト万年筆』 仮名堂 アレ(著)
勉強一筋の女子高生、並木春子は、クラスメイトの稲垣亘にテストで負け続けていた。彼女は放課後の教室で、そのいけ好かない彼が、床にはいつくばっているところに出くわした。奴はいったいなにをしているのか?
床にはいつくばっていた彼は、大事な万年筆を探していたのでした。彼の万年筆を一緒に探してあげた縁で、彼と彼女は万年筆友達になります。彼の天然度合いと、彼女の妄想度合いが絶妙なマッチをみせ、ふたりの関係は近づいていきます。そんな高校生の少し甘酸っぱい学生生活を軽妙なタッチで転がしていく短編です。
彼がはまった万年筆の世界に、彼女も引き込まれていくのですが、わたしも万年筆を使っていますので、その気持ちはわかる気がします。万年筆の書き心地や、ラインの綺麗さは、ほかのペンでは出せないですよね。ボールペンではへたくそに見える自分の字が、万年筆で書くとワンランク上がった字に見えるのは不思議です。親からもらったセーラーの万年筆も持っていますが、普段使いは千円くらいで買った万年筆で済ましていて、まあそれで十分だったりします。
本作を読んで、久しぶりにセーラーの万年筆にインクを詰めて書いてみようかな、と思いました。おもしろかったです。
Amazonリンクがエラーになってしまいましたので、表紙画像をダウンロードさせていただきリンクを貼りました。
0コメント