読書感想文 『駆け出しミステリー作家と凄腕スナイパーの修業時代』 和泉 綾透(著)

 担当編集の芽衣子さんがストーカーにつきまとわれた、らしい。そして僕の彼女 與野郁《よのかおる》にもストーカーが付いていた、らしい。それにしても二人ともうれしそうなのは? シリーズ第3弾!


 今回の殺される候補は黛夏南《まゆずみかな》という二十歳の女性です。おとなしめであどけない容姿に似合わず、立派なバストをお持ちです。大学生にもなって自分を「スナイパー」だと言ってしまう中二病的なところもあって、きっとバカなんだろうと思います。でも彼女のキレイな黒髪はとってもいい匂いがしました。

 彼女が殺される理由を考えているうちに、主人公(駆け出しミステリー作家)都並はカメラの被写体とそれに相対する撮影者の関係性を深く考察し、黛の過去を想像します。それは超有名なニーチェの言葉「深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ」を匂わせるものでした。

 彼は自分の推理が合っていようといまいとどうでもよく、ただ彼女が立ち直ったことに安堵します。わたしもなんだか温かい気持ちになりました。なんというか、わたしも「チーム都並大祐」に入れて欲しい!と思いました。

 たいへんおもしろかったです。

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