読書感想文 『プロフェッサ―葛和の事件簿』 赤石紘二(著)
ある日、心理学教授の葛和は、見覚えのないふたりの女子学生に相談を持ちかけられる。友人ユナが書置きを残して失踪したというのだ。自殺を仄めかす書置きの内容に興味をそそられた葛和は、もうひとつの手がかりトモカズという人物を探し始める。
派手さはありませんが、しっかりどんでん返しのあるミステリでした。心理学の先生(葛和)が、相手の心理を読みながら事件を調べていくわけですが、実は巻き込まれていた、というのが終盤でわかってきて、そこから解決いたるところに向けては、静かな展開ではありますが、なるほど~というカタルシスがありました。ネタバレにならないように感想を書くのが難しいです(笑)。
内容以外のところでは、登場人物のセリフ回しが若干独特でした。ただそれが、堅苦しいようでさわやかな雰囲気につながっていたかなと思いました。このへんは作者の個性なのかもしれませんね。
心理学教授が主人公ではありますが、小難しいことは出てきませんので、心理学の予備知識が特になくても楽しめました。短編ですので、お手すきの時間に一気に読めると思います。おもしろかったです。
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