読書感想文 『ぼくらの街の捜査本部: この街に事件は舞い降りた』 赤石紘二(著)
大雨によって道路が寸断された過疎の村で、殺人事件が起こった。頼れる警察官もいない。定年後にこの村に移り住んできた元刑事の安藤は、村人ともに事件の真相を追う。
大雨で道路も通信網も遮断されてしまった村を舞台にした、クローズドサークルものミステリ短編です。元刑事と元警視庁副長官の引退ジジイふたりが、昔取った杵柄で事件を捜査して解決に導いていきます。怪しい人物がいたり、少年が活躍したり、どんでん返しがあったりと、短編ではありますがミステリの起伏をしっかり盛り込んであり、読みごたえがありました。
ミステリを書く者として、クローズドサークルは一度は書いてみたいシチュエーションなんですよね。クローズドサークルといえば絶海の孤島が定番の舞台ですが、本作では過疎の村という陸の孤島が舞台となっていて、より現実味のあるストーリーになっていました。わたしも『モノ探し専門探偵シリーズ』の次回作でクローズドサークルものを書こうとしていまして、ストーリーの組み立て方など参考になりました。おもしろかったです。
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