読書感想文 『JK妊娠法』 七(著)
JK妊娠法によって高校卒業までに最低一人は子どもを産むのが普通の社会で、女子高生の一花《イチカ》は、彼と子作りに励むがなかなか妊娠せず焦っていた。そこで一花は友達の杏奈(妊娠中)に相談するが……
センセーショナルなタイトルに惹かれてダウンロードしました。表題の「JK妊娠法」とは、少子化による若年労働力減少の対策のため制定された「若年出産奨励法」の俗称ということで、この物語はそんな法律がある未来社会が舞台です。近い将来(もうすでに)少子化と労働力不足は、日本のみならず先進国で深刻な問題になることは間違いありません。この解決手段としてわたしなどはすぐにアンドロイドに飛びつくのですが、作者はより現実的な解決手段を示したと思います(倫理的な是非は置いておいて)。この本のような法律が世界のどこかでできてもおかしくない、そう思わせてくれる秀逸な設定です。
ストーリーは基本的に従来のノーマルな価値観を賛美するもので、かつアダルトな表現もほぼないので安心して読めると思います。一方で、もっと人間の暗部に踏み込んだテーマにしてもおもしろかったかもと思いました。
0コメント