読書感想文 『映画ブログが本になりました。』 暮井 樹(著)

 ブログに掲載された映画の感想をまとめた本。ホラー映画が多い。


 ホラー映画の感想が4割を占めていますが、それ以外のジャンル(アニメなど)も万遍なく網羅されています。マイナーB級映画だけでなく有名どころも多く取り上げられていますので、観たことのある映画も多いのではないかと思います。こういう感想本のおもしろいのは、自分の感想との比較ができるところですね。例えば『イミテーションゲーム』では、著者は「暗い気分」「スカッとするところがない」「悲劇」という感想をお持ちですが、わたしはどちらかというと主人公チューリングの「ひたむきさ」と「前向きさ」に学ぶところがあると感じ、結末は哀しいですが死後に評価されたことに勇気をもらった気がしました。感じることは人それぞれですので感想を合わせる必要はないわけですが、多いに参考になります。他の人はこういうように感じるんだ、とか、わたしはこう思う、など他人の感性のモノサシを使って自分自身のモノサシの較正ができるわけです。

 感想を書く、ということに対しても参考になりました。感想で気を付けないといけないのはネタバレですが、この本でも読んだ人にネタバレしないように苦労して書いていることがわかります。わたしも紹介するセルパブ本の内容をネタバレしないように書くのに毎回苦労していて、こんな抽象的な感想でおもしろさが伝わるかなといつも心配しています。これはきっと共通の悩みなんだろうなと思いました。

 わたしはおもしろかったセルパブ本しか感想を書かないのですが、こちらの感想本は好評も酷評もありました。好評は当然観てみようかなと思いますし、酷評されている映画も怖いもの見たさで観てみたいと思ったり。どちらも興味をそそるものですね。

エンタングルメント・マインド(Entanglement Mind)

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