読書感想文 『ボランティア』 たいらこれしげ(著)

 福島県から神戸へ帰る途中のコンビニで、奥田は記憶喪失の青年と出会った。面倒見の良い奥田は彼を自分の工務店で働かせることにした。彼の身元を調べる手がかりは、記号の書かれたリストバンドだけだった。一か月後、奥田を訪ねてきた知り合いの立川刑事は、まじめに働く彼を見て妙な違和感を覚える。短編。


 記憶喪失の彼が主人公と思いきや、主役は立川刑事でした。立川は彼のことを探るうち大きな陰謀?に巻き込まれていきます。東日本大震災と福島原発事故という重い事実を扱っていますが、誰々が悪いというステレオタイプなお話ではなかったのは感じ入りました。原発事故を収束させるための必要悪という書き方で考えさせてくれます。

 短編といいながらもスケールはなかなかに大きいお話でした。

エンタングルメント・マインド(Entanglement Mind)

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