読書感想文 『東京フラッパーガール lite 浅草ブラン・ノワール』 杉浦絵里衣(著)

 お嬢さまにして探偵の二宮環は、浅草で同級生の瞳子が半狂乱で取り乱す姿を目撃する。看過できない環は、彼女に話を聞き調査を開始する。『買われた花嫁』とは一体どういうことなのか?


 大正浪漫の雰囲気溢れる昭和初期が舞台のライトな探偵小説です。主人公のお嬢さま環とお目付け役兼助手の葛葉の正反対のキャラクターがストーリーをぐいぐいと引っ張っていきます。わたしも引きずられるようにして読みました。胡乱な人物が多く登場し物語をかく乱してくれますのでいたるところでハラハラさせてくれます。とはいえストーリーラインも雰囲気も明るくて安心して読めました。

 令和の時代からすれば大正、昭和初期は随分と昔のように感じますが、たった百年前のことなんですよね。曽祖父母の青春時代はこんな感じだったんだろうなと。

 綿密に時代考証された言葉の選び方や情景描写など節々で感じました。読みやすい文章でストーリーもテンポよく、最後まで一気に読みました。おもしろかったです。

エンタングルメント・マインド(Entanglement Mind)

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