読書感想文 『続・夜明け』 辻井豊(著)
人類が自らの恩人である人工知性ジニーを破壊して一年、人類に脅威が迫っていた。強力な火力を持つ宇宙船団が近づいてきていたのだ。宇宙船団はジニーとの通信を要求してきた。これに答えなければ世界は破滅する。令子はジニーのバックアップシステム起動へ協力を要請される。期限までにジニーを起動できるのか。
前作の続編になります。前作同様の短編ですが、わたしが書くときっと長編になるだろうなというスケールのお話です。簡素な表現でサクサク進みますので、前作、本作を一気に読んでしまいました。とはいえ、ストーリーはそれぞれ独立していますので前作だけ、本作だけ、でも違和感なく読めると思います。
本作は、前作で人類の身勝手で破壊されたジニーが宇宙船団との通信のために必要になってしまうという筋書きです。現実世界でもありがちですね。そのせいで人類は危機に陥るわけですが、因果応報という人類の愚かさを感じます。
前作、本作でも西半球連合政府という連中が軍事力で威圧してくるのですが、この成り立ちや思想に踏み込んでいくと別の物語ができそうです。同じような短編を増やしていくと世界観の厚みが増すんじゃないかと思いました。
本作もおもしろかったです。
0コメント