読書感想文 『オヤジヲワラエ★オヤジヨワラエ』 月詩夏人(著)
モヤシ会社で働く久山耕治は飽いていた。休日、掃除の邪魔と妻に追い出され、散歩に出る。川べりで高校時代の悪友に出会い、青春時代を思い出す。そして夢に向かって再度走り出す。
人は歳を取るにつれていろいろなものを積み上げていきます。仕事、家族、貯金、名誉……などなど。その一方で捨てていくものも多くあります。プライドや執着、若さ、そして夢。なかでも夢は真っ先に捨てられるものではないでしょうか。毎日判を押したような仕事を繰り返し、休日は昼間からビールを飲んでグータラする、社会に飼われた生活。大人なら誰しも思い当たるところがあるのではないでしょうか。この本は、無為な人生に飽いたオヤジたちが、旧友に出会ったきっかけで自分の人生を取り戻していこうともがく物語です。そう簡単に夢はつかめませんが、そんな等身大のオヤジのもがく姿に、創作に取り組むわたし自身を重ね合わせて共感しました。おもしろかったです。
0コメント