読書感想文 『偽ペリグレスの歌』 鴉屋尚宏(著)

 荒廃したスペインの修道院でミサを行う司祭ペリグレスは、かつて不正の限りを尽くしていた行政官だった。彼は修道院で奇跡体験をし、心を入れ替えたという。その奇跡体験とそこから発せられる奇妙な電磁波は関係があるのか?


 小惑星の衝突で地球各地が壊滅的ダメージを受けたという近未来世界のSF短編です。宗教体験と科学を電磁波で結び付けるというアイデアですね。ネタバレになるのであまり詳しく書けませんが、その電磁波はあることをすることで発生していて、それによって人々は奇跡的な体験をします。そのあることというのがなるほどと思いました。確かにそれは人々の心をつなげますよね! その後はスピリチュアル的な内面世界にお話が移行してしまうのですが、わたし的な好みでは科学的なところをもう少し掘り下げても良かったかな、と思いました。手頃な長さで一気に読みました。おもしろかったです。

エンタングルメント・マインド(Entanglement Mind)

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